概要
IBM Power Systems Virtual Server(以降、Power Virtual Server)環境で、以下の運用管理製品の導入および稼働検証を実施いたしました。
- AutoMate Terminal Option
- Code Scope
- File Scope
- Vityl IT
背景・課題
Power Virtual Server環境において、運用管理製品が正常に導入および動作するか、パフォーマンスに問題ないか、などを検証する必要があり実施いたしました。
- AutoMate Terminal Option ・・・ エミュレーター操作が可能かなどを検証
- Code Scope
- File Scope
- Vityl IT ・・・ VPN経由で社内LAN上のWindowsサーバーとPower Virtual Server環境とを連携
製品概要
AutoMate Terminal Option
AutoMate Terminal Optionは、RPA製品AutoMateによるIBM iの5250エミュレーター操作自動化を容易にするため、IBM i の5250エミュレーターをWeb化する製品です。Windows OS上にTomcatを使用したWebサーバーを構築し、そこからIBM iにアクセスする形を取っています。
【AutoMate Terminal Optionの経路について】
本検証では、IBM Power Systems Virtual Server環境と社内に存在するAutoMate Terminal OptionサーバーがVPN経由で接続された環境下で実施しています。
Code Scope
Code Scopeは、IBM iの5250画面上にPCライクなポップアップ・ウィンドウを作成する簡易ジェネレータツールです。
プログラムを一切修正することなく、照会・検索ウィンドウとメニューウィンドウを簡単に作成できます。これにより、既存アプリケーションに照会ウィンドウを追加したり、目的のデータを検索して素早く探し出すことが可能になります。検索・照会・更新・印刷用のユーティリティ・ツールとして、5250画面の操作性を大きく向上させます。
【製品の特長】
- 既存プログラムを変更することなく、5250画面上のファイル照会・検索を実行するためのポップアップ・ウィンドウやメニューウィンドウを簡単に定義・作成できます。
- 実行中の業務画面を中断することなく、ポップアップ・ウィンドウにファイルの内容を表示して確認したり、コードの値を画面内のフィールドに取り込めます。また、メニューの表示やメニューオプションの実行も可能です。
- 作成したウィンドウはソースレベル、もしくはオブジェクトレベルでアプリケーションに取り込めるので、開発作業を簡素化します。
File Scope
File Scopeは、IBM i専用のファイルエディターです。データベース・ファイルの照会・変更・検索・検証・印刷に必要な機能をすべてサポートしており、便利なユーティリティツールとして、ソフトウェア開発・保守の生産性を高めます。
【製品の特長】
- あらゆるデータへの直接参照・編集が可能
-
- 物理/論理ファイル、結合ファイル、ソースファイル、キー付き/キーなしファイル、単一/複数ファイルへの直接アクセスが可能です。
- アプリケーションを起動してすぐに、レコードの参照・変更が可能です。
- DFUやQUERYと違って事前の定義作成やコンパイルは必要ありません。
- SQLと違ってその場でリクエストの修正を行えます。
- 便利なデータ作成・更新機能をサポート
-
- レコード内のフィールド値を画面から即時に変更できます。
- データ更新時のUNDO機能により、誤って変更したデータの復元が可能です。
- 既存フィールドの値を利用して新規フィールドを簡単に作成できます。
- 表示レイアウトのカスタマイズ・保管が可能
-
- レコードの表示形式(単一/複数)を選択できます。
- カラム選択、ソート順、見出し変更など表示レイアウトをカスタマイズできます。
- 必要なフィールド、レコードのみの抽出や複数のファイルを同時に参照できます。
- カスタマイズした表示レイアウトの保管や再利用が可能です。
- 16進数表示をサポートしています。
- 効率的なデータ照会・検索機能を提供
-
- フィールド値検索、パターン検索、エラー検索など多彩な検索機能をサポートしています。
- 前方/後方一致での検索が可能です。
- 帳票の作成・印刷に対応
-
- オンラインで印刷レイアウトの指定と表示が可能です。
- 印刷用定義を保管できるので、印刷・データ変換・抽出用プログラムの開発が不要です。
- 複数のファイルを結合して、レポートを作成できます。
- CSVなどPCフォーマットでのファイル出力や印刷に対応します。
Vityl IT
IBM i、Windows、Linux、プリンターなど、各サーバーから出力されるメッセージを一つのPCで集中監視/管理する製品です。
アラートを発報し、指定されたコマンドを自動実行してエラーを解消することができます。
リモートワークにおけるIBM i の監視業務やエラー対応にお困りの方にお勧めの製品となっています。
構成内容
使用した機器の仕様は以下の通りです。
◆ Power Virtual Server
- データセンター:東京04
- マシン:S922
- OS:V7R4
- ディスク容量:180GB
- メモリ:8GB
- コア数:0.25
- 一次言語:2962(日本語)
- QCCSID:5035
◆ Windowsサーバー(ローカル)・・・ Vityl ITのみで利用
- OS:Windows Server 2019 Standard
- ディスク容量:180GB
- メモリ:8GB
- コア数:8コア
検証内容
AutoMate Terminal Option & Code Scope V11.04
- 製品の導入が正常完了することを確認
- 製品主要機能が正常稼働することを確認
File Scope V17.05
- 製品の導入が正常完了することを確認
- 製品主要機能、ならびにファイルのメール送信機能、FTP転送機能が正常稼働することを確認
Vityl IT
- VPNでローカルのWindowsサーバー環境からPower Virtual Server環境に接続し、Vityl ITのモジュールを正常にインストールできるかを確認
- ジョブステータスの検知、メッセージ待ち行列の検知、コマンド実行等の主要機能を実施し、正常に完了することを確認
検証結果
製品 | 検証日 | 導入結果 | 検証結果 | 備考 |
---|---|---|---|---|
AutoMate Terminal Option | 2021/04/02 | 正常終了 | 正常終了 | 主要機能の稼働検証を実施し問題ないことを確認 |
Code Scope V11.04 | 2021/03/26 | 正常終了 | 正常終了 | 製品導入、主要機能の稼働検証を実施し問題ないことを確認 |
File Scope V17.05 | 2021/03/26 | 正常終了 | 正常終了 | 製品導入、主要機能の稼働検証を実施し問題ないことを確認 |
Vityl IT 6.4.0 | 2021/04/14 2021/04/15 |
正常終了 | 正常終了 | 製品導入および設定を行い、主要機能の稼働検証を実施し、問題ないことを確認 |
所感
Power Virtual Server環境において運用管理製品が使用できることが確認できました。
AutoMate Terminal Option
オンプレミスに存在するDBとのデータ連携を実施する場合は、Power Virtual Server環境とのVPN接続が必須となります。VPNの品質が良くない場合、通信が回復するまでの間データ連携がなされないケースが発生しやすいため、ご注意ください。
Code Scope V11.04 & File Scope V17.05
製品のインストール時の注意としまして、物理光ディスク装置が利用できないため仮想光ディスク装置を使用したインストールを実施してください。
Vityl IT
監視対象のPower Virtual Server環境の各種情報の取得やコマンド実行をするためには、当該環境とのVPN接続が必要になります。
Power Virtual Server環境とWindowsサーバーの接続状況が不安定であると、監視対象の環境の情報の取得がうまく実施できないケースが発生しやすい傾向にあります。
そのため、Power Virtual Server環境とローカルのWindows ServerとのVPNの接続環境は良好にしておくことを推奨します。
なお、VPN接続の接続環境が良好であれば、オンプレミスのIBM i 環境上の各種情報取得やIBM i へのコマンド送信等と大きな差異なく実施することができます。
イグアスより
イグアスより
Power Virtual Server環境では通常英語環境(一次言語:2924)で提供されますが、弊社では日本語環境(一次言語:2962)で提供し、ネットワークは「プライベート・ネットワーク接続環境」にて検証していただくことができました。
三和コムテック様の運用管理製品の検証結果を元にして、多くのIBM i ユーザー様に安心してご利用いただければと存じます。