概要
IBM Power Systems Virtual Server(以降、Power Virtual Server)環境で、以下のテレワーク支援製品の導入および稼働検証を実施いたしました。
- CoolSpools
- Telework4iクラウド
背景・課題
Power Virtual Server環境において、以下製品が正常に導入可能であるか、および稼働に問題ないか、などを検証する必要があり実施いたしました。
- CoolSpools
- Telework4iクラウド
製品概要
CoolSpools
CoolSpoolsは、IBM i のスプール・ファイルをPDFファイルなどの電子データへ変換するドキュメント管理ソリューションです。DBファイルのExcelファイルなどへの変換もサポートします。ファイル変換はIBM i のみで処理を完結しますので、追加のサーバーなどは不要です。画像ファイルのオーバーレイ機能で、規定帳票のフォームやロゴ、印鑑などを変換ファイルへ取り込み反映できます。さらに、変換ファイルのFTP配信やメール添付配信が可能です。任意の出力待ち行列をモニターすることで、対象となるスプール・ファイルの生成を検知し、自動変換して自動配信させるような運用を実現します。印刷帳票の電子化、印刷業務関連コストの見直しと削減、リモートワーク、さらに自動化と、印刷業務に関する課題を解決できます。
- スプールコンバータ機能
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- スプール・ファイルをPDFやExcel、HTMLなどの電子データに変換します。
- 1つのスプール・ファイルを複数ファイルに分割、あるいは複数ファイルをマージできます。
- 変換時にAPWの罫線を再現できます。
- 変換先はローカルIFS、他サーバーへのFTP転送、Eメール添付配信などの指定が可能です。
- 変換PDFファイルに帳票フォームやロゴを取り込む、画像ファイルのオーバーレイ機能を備えます。
- 変換ファイルのパスワード圧縮(Zip)をサポートします。
- データベースコンバータ機能
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- データベース・ファイルをExcelやHTMLなどの電子データに変換します。
- 物理ファイル、論理ファイル、DDMファイルなどのデータベース・ファイルをサポートします。
- 色やフォントなど条件付き書式ルールを定義できます。
- Eメール機能
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- 内部/外部SMTPサーバーを使用して、変換ファイルを添付したメールを送信します。
- メール送信の宛先をCoolSpoolsのアドレスリスト機能で管理できます。
- スプール管理機能
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- CoolSpoolsモニター機能で、任意の出力待ち行列の状況を監視できます。
- スプール・ファイルを指定して「出力を検知し、PDF変換してFTP配信する」といった運用ができます。
- 自動処理させる内容は、CoolSpools関連処理はもちろん、IBM iコマンドやCLプログラムを実行など、柔軟な設定が可能です。
Telework4iクラウド
Telework4iクラウドは、基幹システムが稼働するIBM i に対して、社外から5250アクセスを可能にするクラウドサービスです。インターネットを経由して、ブラウザ上に5250画面を表示して、社内などにあるIBM i を操作できるようにします。
※Telework4iクラウドは、弊社別製品のKONAをクラウドサービス用にカスタマイズしたWeb化ソリューションとなります。
構成内容
使用した機器の仕様は以下の通りです。
◆ Power Virtual Server
- データセンター:東京04
- マシン:S922
- OS:V7R4
- ディスク容量:180GB
- メモリ:8GB
- コア数:0.25
- 一次言語:2962(日本語)
- QCCSID:5035
◆ IBM WebSphere Application Server ・・・ Telework4iクラウドのみ利用
WebSphere Application Server - V9.0.0.11 Base
IBM提供のHTTPサーバー(powered by Apache)- Apache/2.4.34(IBM i)
検証内容
CoolSpools V7R1
- 製品の導入が正常完了することを確認
- 製品主要機能、ならびにスプール・ファイルの自動検知と自動変換、変換ファイルのメール送信機能、FTP転送機能が正常稼働することを確認
Telework4iクラウド4.2.1(Build:401r1 2020.05.19)
- 製品の導入が正常完了することを確認
- オートスクリーンを用いて社内のIBM i の区画、およびPower Virtual Serverの同じネットワーク内にある別のIBM i に接続し、Webブラウザで5250画面を操作できることを確認
検証結果
製品 | 検証日 | 導入結果 | 検証結果 | 備考 |
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CoolSpools V7R1 | 2021/03/31 | 正常終了 | 正常終了 | 製品導入、主要機能の稼働検証を実施し問題ないことを確認 |
Telework4iクラウド 4.2.1 (Build:401r1 2020.05.19) |
2021/04/15 | 正常終了 | 正常終了 | WebブラウザからのIBM i の画面の操作に問題ないことを確認 |
所感
Power Virtual Server環境においてテレワーク支援製品が導入、および操作ができることが確認できました。
CoolSpools V7R1
製品の利用にあたり、「ネットワーク経由でデータを取り扱う」ことに関する諸要件(ルーティング、解放/制御ポート番号など)を適切に満たしてください。
Telework4iクラウド4.2.1(Build:401r1 2020.05.19)
今回の検証では、プライベートネットワーク下で動作を確認しました。パブリックネットワークからもアクセスできるようにすれば、会社のPCを持ち帰らなくても、自宅や外出先から個人所有のスマホやPCで5250画面の操作をできるようになります。
イグアスより
Power Virtual Server環境では通常英語環境(一次言語:2924)で提供されますが、弊社では日本語環境(一次言語:2962)で提供し、ネットワークは「プライベート・ネットワーク接続環境」にて検証していただくことができました。
三和コムテック様のテレワーク支援製品の検証結果を元にして、多くのIBM i ユーザー様に安心してご利用いただければと存じます。