HP StoreOnceにはFC接続のFC-VTLと、iSCSI接続のiSCSI-VTL機能があります。HPE社のマニュアルでは、IBM i 環境でFC-VTLのみのサポートとあります。但し、国内事例も無いことからイグアスに於いて検証を行いました。
検証目的
以前からHPE社からもStoreOnceというVTL装置が販売されています。しかも、ProtecTIERやDataDomainとほぼ等価の機能を有し、IBM i のサポートも加わりました。
よって、IBM i 環境での検証項目を以下に記載いたします。
- StoreOnceのデバイス認識確認
- シングルモードでのバックアップ&リストア検証
- ライブラリーモードでのバックアップ&リストア検証
- StoreOnceより、D域IPL(※)での起動検証(3パターン)
- VIOS+NPIV構成によるD域IPL検証
- VIOS+IBM i クライアント区画に物理FC構成によるD域IPL検証
- Native IBM i 区画に物理FC構成によるD域IPL検証
上記内容にて検証を実施いたしました。
ポイント:
- 前提条件として、事前にStoreOnce側でVTL構成が行われていること。
- ライブラリーモードの場合、有償ライセンス「BRMS」がバックアップ時には必要。
- D域IPLする為には、最低限でもHMC、SANスイッチが構成されていること。
- D域IPLする為には、SANゾーニング設定且つ、シングルモードで行うこと。
StoreOnce検証環境概要
使用したハード/ソフト
- サーバ装置
- Power S814(1台)のLPAR区画 バックアップ対象
- VTL装置
- HP StoreOnce3540(1台) FC接続VTL用
- HMC
- 7042-CR8
- SANスイッチ
- SAN24B4
- シングルモードの場合
- IBM i のOS標準機能で利用(今回はIBM i 7.3)
- ライブラリーモードの場合
- BRMS(57xx-BR1)の有償ライセンス利用(70日試用版)
検証結果
※検証資料①をご参照ください。
検証結果より考察
- FC接続でもダイレクトアタッチ接続やSANスイッチでのポートゾーニングの設定では、D域IPLを行うことができないことが分かりました。
- マニュアルには、"FCアダプターのファームウェアが最新でなければならない"とあるが実際検証をしたところでは特に問題なく動作することを確認できました。
- また、HMC側で「代替再始動装置」の装置設定やStoreOnce側で「シングルモード」などの設定は正しく行われているがD域IPLが出来ない事象(参照コードで"C2004130"で止まる状況) が発生しました。回避方法として、StoreOnce自体を再起動することでD域IPLがうまくいくことの確認もできました。
- 今後の提案構成の一つとして有意義な検証ができたと思います。